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「例外だらけ」を 楽しむ
大野 智久
Tomohisa Ohno
生き物の不思議さに「すごいなあ」と驚いたり、「何でだろう」と考えたりすることが、生物学の面白さだと思います。生物の特徴に“例外だらけ”ということがあります。たとえば物理学が普遍性を見るのに対して、生物学は多様性を見るのです。“例外だらけ”は人間についても言えることで、遺伝情報に環境要因も加わって、一人ひとり全く異なるのが私たち人間です。いわゆる「個性」と言われているようなものに対しても生物学からアプローチすることができ、それは自分や人間を深く知るということにも繋がっていきます。これが生物学ならではの面白さだと思います。
教科書の勉強もたしかに面白いですが、本物を見るという体験に勝るものはありません。特別な場所に行かなくても、家の近くや雑草が生えている空き地、道端でもいいのです。そのような場所にどのような植物が生えていて、どのような特徴や共通点があるのかを観察してみるのです。それが習慣になっていくと、さまざまな新しい疑問が浮かんでくるようになります。例外だらけの生物の世界だからこそ、本物を見た瞬間に「あっ」と驚いたり、気づいたりすることがたくさんあります。生徒たちには、そのような楽しさや喜びをぜひ感じてほしいと思っています。
本校の校舎にはとても豊かな自然があります。特に、正門から続く「シンデレラ階段」と呼ばれる階段があるのですが、その両脇に季節ごとに様々な花が咲いています。また、チョウチョもたくさん訪れ、年間通じて数十種類が訪れます。1年間ずっと見ていると、驚くような変化にあふれているわけです。この恵まれた環境もぜひ活用してほしいなと思います。
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