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言葉から自由になる

城野 大輔

Daisuke Jono

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 国語は言葉を扱う教科なので、他のさまざまな教科をつなぎます。論理的な力を高め、実用的な機能をスキルとして身につければ、どのような場所でも活用できるようになる。そういう意味で「どんなものにでもなれる」ことが、国語の魅力のひとつです。

 しかし、私がもっとも大切だと考えているのは、言葉のもつ芸術的な部分です。言葉によって、人はどんな物語を生み出してきたのか。私たちは世界をどう認識しているのか。それは、国や地域、人それぞれによって異なりますが、それでも私たちが共に生きているのは、実用的な表現を超えたところにある創造的な営みがあるからだと思います。そうして豊かに紡がれた色合いを解釈し、仲間と議論しながら味わったり新しい意味を生み出したりすることができるのが、国語という教科のいちばんの魅力だと思います。

 ​ 1つ目に挙げた言葉に関する論理や技術は、生徒たちが自らを“発散”するための土台です。しかし、土台だけをゴールとして設定してしまうと、生徒たちは受け身のマインドになり、言葉に縛られたままになってしまいます。受験ではこの土台の力を問われることが多いのですが、三田国際学園の学びでは“発散”の部分、すなわち言葉に縛られてしまう自分を認識しながらも、そこから解放されて創造的で自由な世界を作り出そうとする取り組みを大事にしています。みんなで“発散”しながらも、ときに論理という土台に立ち返る。生徒たちには、その難しさと楽しさの循環を繰り返しながら成長していってほしいと思います。

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