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誰もがクリエイターに

市川 由布子

Yuko Ichikawa

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本校の美術の授業では、様々な素材や手法、テーマを扱います。たとえば、絵具や粘土などの“アナログ”ツールと、iPadや3Dプリンターなどの“デジタル”ツールを使って、アナログとデジタルの融合も目指しています。絵を描くのが苦手だった生徒が、iPadを使用した作画では“トライ&エラー”が容易になったことで表現力が大きく向上し、達成感を感じていた姿が印象的でした。

 社会で江戸時代の浮世絵を学んだあと、美術で「令和版デジタル浮世絵」としてオリジナルの浮世絵をiPadで制作し、英語で海外の方にそれを紹介するという取り組みを行いました。まず、江戸時代において浮世絵が生まれた背景やその意味を考えてから現代に視点を移し、「今の日本はどのような時代なのか?」という問いと向き合います。そして、海外の方に伝えるため多角的な視野に立ちながら、浮世絵の世界観を再構築して表現しました。深い思考を土台に自分ごととして捉え、柔軟に表現する生徒たちに驚かされたことをよく覚えています。

 また、絵画やデザイン、デジタルアート、工芸、鑑賞などの幅広い分野を取り上げ、多様な視点に触れ、学び合い、ともに創りあげる授業をデザインしています。生徒たちは自分の目で見て感じ、頭で考え、手を動かしながら自分らしい表現にチャレンジしています。美術に正解はありません。自分自身と向き合い、実社会と美術の関わりへの理解を深めながら、クリエイティブな発想力と豊かな表現力を磨き上げていきましょう。

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