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発想を楽しむ数学

赤澤 徹哉

Tetsuya Akazawa 

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 私が担当した中学1年の数学で、生徒の姿が印象に残っている授業を紹介します。身の周りの音は空気を振動させて伝わる波だと中学理科で学ぶのですが、関数*の単元でそのグラフについて学びました。そして、数学の力でより良い学校生活を実現するという目的のもと、生徒たちと学校のオリジナルのチャイム制作に挑戦しました。彼らがまず直面したのは、「良いチャイムとはどんな音だろう」という問いでした。

 ちょうどその頃、国語の授業で「美しいとは何か」「『便利=善』なのか」というテーマで学習していた生徒たちは、「美しく心地よいチャイムが、“良い”チャイムと言えるのだろうか」という新たな問いにぶつかります。クラスメイトと議論を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、生徒たちはオリジナルのチャイムを創り上げていきました。その後、完成したチャイムを実際に昼休みに流してみて、他の生徒や教員に感想を聞くなどの検証も行いました。この授業を通して「今まで勉強を教科ごとに捉えていたが、違う教科にもつながりがあることに気が付いた」という新たな気づきを得た生徒もいました。

 私は授業を計画する際、教室の外の世界や社会と繋がり、生徒が実際にゼロから創り出す学びを取り入れるよう工夫をしています。そうすると、生徒たちが与えられたタスクをただこなすだけではなく、前のめりになって学んでいる姿が多く見られます。本校では、型にはまらない自由な発想を大切にしています。時には教室から飛び出し、一緒に楽しみながら学んでいきましょう。

*関数…一方の量(x)が決まると他方の量(y)が決まる関係にあるとき、「yはxの関数」と言います。

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